
オラクル(ORCL)は米国時間の6月10日に、2026年度第4四半期および通期の決算を発表しました。通期の総収益は674億ドルで前年比17%増、過去最高となりました。残存履行義務(RPO)は6,380億ドルに達しています。決算発表後、オラクルの株価は一時的に時間外で5%下落しました。米銀行のアナリスト・レポートでは、6,380億ドルのRPOのうち半分超がOpenAIによるものだと確認されています。
2026年度第4四半期および通期で確認された財務データ
オラクルの公式決算によると、Q4(2025年2月から2026年5月まで)で確認された数値は以下のとおりです:
Q4 総収益:192億ドルで前年比21%増(アナリスト予想:191億ドル)
Q4 IaaS 売上高:58億ドルで前年比93%増(市場予想:91%)
Q4 クラウド(IaaS+SaaS):99億ドルで前年比47%増、総収益の50%を占める
Q4 非GAAP 希薄化後 EPS:2.11ドル(前年同期:1.70ドル)
2026年度 通期 総収益:674億ドルで前年比17%増、過去最高
2026年度 マルチクラウドAI データベースの受注:前年比325%増(売上の前年比:404%)
6,380億ドルのRPO:内訳構造を確認
第4四半期末のRPOは6,380億ドルで、アナリスト予想の5,900億〜6,000億ドルを上回りました。オラクルは声明で、追加RPOの大部分は大手AI契約からのものだと確認しています。顧客の手配は2種類に分かれており、①GPUの前払い調達費用、または②自社でGPUを調達してからオラクルに委ねて同社が展開する形です。顧客が自前GPUを持ち込む契約の総額は750億ドルと確認されています。米銀行のアナリスト・レポートによれば、6,380億ドルのRPOのうち半分超がOpenAIによるものです。
設備投資557億、フリーキャッシュフロー▲237億、2027年度の資金調達400億
2026年度のオラクルの設備投資は557億ドルと確認され、同社自身の500億ドルという従来のガイダンスを上回っています。通年の営業キャッシュフローは320億ドル(前年比54%増)で、設備投資を差し引くとフリーキャッシュフローは▲237億ドルとなりました。
資金不足を補うため、オラクルは2026年度に債務による資金調達で430億ドル、株式による資金調達で50億ドルを実施しました。同社の声明では、2026年度下半期は新たな社債を発行しないと確認されています。
オラクルは2027年度にさらに400億ドルを調達する計画で、そのうち過去に開示された200億ドルの株式による資金調達が含まれます。
2027年度の公式ガイダンス:Q1および通期で確認された数値
オラクルが決算で示した2027年度の公式ガイダンスは以下のとおりです:
Q1 2027年度 総収益成長:+27%〜+29%(アナリストの当初予想はこのレンジ未満)
Q1 2027年度 非GAAP EPS:1.72〜1.76ドル(中央値はアナリスト予想を上回る)
Q1 2027年度 クラウド事業の成長:+57%〜+63%
2027年度 通期 売上目標:900億ドル(再確認)
2027年度 非GAAP EPS 目標:8.05ドルへ引き上げ(アナリストの当初予想は8.01ドル)
配当:オラクルは1株当たり0.50ドルの四半期配当を発表し、2026年7月24日に、7月10日時点で登録されている株主へ支払います。
よくある質問
オラクルの2026年度フリーキャッシュフローがマイナスになった理由は?
2026年度の設備投資は557億ドルで、同社自身の500億ドルという従来ガイダンスを上回りました。主因は、6,380億ドルのRPO受注を支えるためのAIデータセンターの増設です。通年の営業キャッシュフローは320億ドルに達したものの、設備投資の557億ドルを差し引いた結果、フリーキャッシュフローは▲237億ドルと確認されました。
6,380億ドルのRPOの半分超がOpenAIから来ている場合、具体的にどんなリスクを意味しますか?
米銀行のアナリスト・レポートによれば、RPOの半分超がOpenAIという単一の顧客に集中しています。高い集中度を持つ受注構造は、OpenAI自体で資金繰りの変化や需要調整が起きた場合、オラクルのRPOの計上および将来の収益に直接的な影響が生じ得ることを意味します。
オラクルの2027年度Q1ガイダンスの具体的な状況は?
オラクルの公式ガイダンスでは、Q1 2027年度の総収益成長は+27%〜+29%、非GAAP EPSは1.72〜1.76ドルで、いずれも中央値が市場のアナリストのコンセンサス予想を上回っています。通期の非GAAP EPS目標は8.05ドルへ引き上げられており、アナリストの当初予想である8.01ドルも上回っています。