北朝鮮のテロ攻撃判決の保有者による、7,100万ドルのAaveハッカー凍結資産をめぐる争いは、第3ラウンドに突入した。CoinDeskの5月6日報道によれば、原告側の弁護団が最新で提出した裁判書類では、当該ETHは「窃盗」(theft)ではなく「詐欺」(fraud)によるものだと改めて主張し、それによってAaveの「盗人は贓物を所有しない」抗弁を回避しようとしている。ニューヨークのマンハッタン連邦裁判所は本日(5月6日)、Aaveによる5月1日の凍結命令の解除を求める動議を審理するため、法廷を開く。
原告の新戦略:TRIAのテロ対策保険法を援用し、ETHを北朝鮮の国家財産と位置づける
原告側弁護団(Gerstein Harrow LLPがHan Kimら北朝鮮のテロ攻撃被害者の家族を代理)は、最新書面で法律上の主張を変更し、「贓物に関する権利」を単に主張するのをやめた。代わりに、米国の《テロリズム・リスク保険法》(Terrorism Risk Insurance Act, TRIA)を引いている。
主張:4月18日のKelp DAOクロスチェーン・ブリッジ攻撃の本質は「詐欺」であり、「窃盗」ではない
詐欺と認定されれば、ハッカーが取得したETHは「特定の法的枠組みの下で」北朝鮮の国家財産とみなせる
TRIAによれば、北朝鮮の国家財産はテロ攻撃の被害者家族が差し押さえ、2015年の判決の履行に充てることができる
この論述戦略は、Aaveの「贓物はそもそも盗人のものではなく、被害者のユーザーに帰属すべきだ」という中核抗弁を回避するものだ。焦点を「ETHは誰のものか」から、「テロ対策の法的枠組みの中で優先的に差し押さえ可能か」に移す。
Aaveの法的地位に挑む:Aave自身の条項で反撃
原告のもう一つの重要な論点には、あからさまな皮肉がある。原告はAave自身のサービス規約を引用している。Aaveの文書では「Aaveはユーザー資産を管理しない」(Aave does not control user assets)と明確に宣言しており、Aaveが訴訟の場でユーザーに代わって発言する資格(standing)を持たず、法的地位もないとして、差し押さえ命令への異議を唱えようとしている。
この論点は、DeFiプロトコルの法的な位置づけに二律背反を生む。
もしAaveにstandingがあると主張するなら、協議(プロトコル)が実質的にユーザー資産を支配していることを認めることになり、「DeFiは無托管だ」という自己定位と矛盾する
もしAaveにstandingがないなら、ユーザー利益は実際には誰も法廷で代表しておらず、DeFiユーザーは従来の司法制度の中ではほぼ保護されない
これは技術の問題ではなく、DeFiが2026年に直面する根本的な法的難題だ。訴訟が従来の裁判所に持ち込まれたとき、「協議(プロトコル)のユーザー集団」を誰が代表できるのか。この問題には先例がなく、本件の結果はDeFiのガバナンス史における重要な先例判決になり得る。
Aaveの対応:DeFi Unitedは3.28億ドルを調達済みで、争点額の4倍
北朝鮮のテロ攻撃被害者側の法的攻勢に直面し、Aaveが主導するDeFi United復原連合(Lido、Mantle、EtherFiなどを含む)は資金をさらに積み増している。今週火曜の朝時点で、連合は3.28億ドルの資金を集めており、争点となっている7,100万ドルの4倍以上だ。
この資金枠の意味はこうだ。仮に裁判所が最終的に7,100万ドルが北朝鮮のテロ攻撃被害者家族に帰属すると判断しても、AaveとDeFi Unitedは残りの資金を動かし、別の資金プールから影響を受けたAaveユーザーを補償できる。abmediaが5月5日に報じたAaveの緊急動議での「盗人は贓物を所有しない」という抗弁、本件はその直後の展開だ。「裁判所が北朝鮮の家族に有利に傾いても、ユーザーは補償を受け取れる」ということを示す。
DeFi業界および本件の今後の注目点としては、裁判所が本日の審理後に出す判断、TRIAの枠組みを採用するかどうか、Aaveにstandingが認められるかどうか、そしてDAOのガバナンスによる凍結への介入が「集中化された処置」とみなされるかどうか、の3点だ。これら3つの答えはそれぞれ、「DeFiの法的地位」「DAOのガバナンス上のリスク」「国境を越えるハッカー資金の回収メカニズム」に関する先例を立てることになる。
この記事「北朝鮮のテロ攻撃判決の保有者が7,100万ドルのAave凍結資産の取り合いをアップグレード:テロ対策保険法を援用」 は、最初に 鏈新聞ABMedia に掲載された。
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