
ソラナは6月18日、X(旧Twitter)上で発表し、AWS(アマゾン ウェブ サービス)が、AWS WAF AI マネタイズ(収益化)システムを提供すると告知した。これにより、Amazon CloudFront を通じてコンテンツを配信する出版社は、AI ボットやエージェントに対して USDC をリクエスト(請求)ごとに課金設定できるようになり、支払いは x402 プロトコルによりソラナまたは Base で決済できる。
AWS WAF AI マネタイズの HTTP 402 応答と x402 決済の手順
AWS の告知によれば、AI エージェントが課金対象コンテンツを要求する際の完全なフローは次のとおりだ。未認可の AI エージェントが課金対象コンテンツを要求した場合、AWS WAF は HTTP 402 Payment Required 応答を返し、そこには価格、対応するブロックチェーンネットワーク、出版社のウォレットアドレスが含まれる。x402 に対応したエージェントは、支払いの許可(承認)に署名してから要求を再送する。x402 の決済フローは、コンテンツ公開前に支払い状況を検証する。もし出版社側のサーバーがエラーを返した場合、取引は決済されず、エージェントも課金されない。
この仕組みは、出版社がこれまで「無料でスクレイピングする」か「徹底的にブロックする」かの二択に迫られていた状況を置き換える。
AWS WAF Bot Control の識別範囲と料金ルール
AWS WAF Bot Control は、650 種以上の AI ボットおよびエージェントのタイプを識別できる。出版社は、個別のリクエストに対して差別化したルールを設定できる。
· 認証済みのクローラーは無料でアクセス可能
· 認証されていないエージェントはより高い料率を設定可能
· 特定のコンテンツは完全にブロックできる
出版社は、課金リクエスト数、平均収益、ボットの種類ごと、決済失敗の状況、さらに収益が最も高いコンテンツのパスを追跡できる。これにより、AI トラフィックがインフラやライセンスコストをカバーできているかを直接評価できる。
x402 サービス提供者としての Coinbase の役割と費用構造
Coinbase は支払いの検証とブロックチェーン決済を担当し、出版社が自分でオンチェーンのインフラを運用しなくても、マイクロペイメントを受け取れるようにする。AWS は資金を保有せず、またコンテンツ収益から何らかの取り分を差し引くこともない。USDC は、エージェントが管理するウォレットから出版社へ直接送金される。
今回の統合は、ソラナの自社(自律)ビジネス分野における展開の継続だ。ソラナネットワークはこれまで、AI エージェントと x402 決済の利用向けに開発者ツールキットを提供している。Coinbase もまた、ユーザーアカウントから取引を完了できる AI アシスタントと x402 を接続した。
よくある質問
x402 プロトコルは、既存のサブスクリプション制や広告モデルと何が違う?
AWS の告知によれば、x402 プロトコルの中核の違いは「リクエスト課金(按請求計費)」にある。出版社は口座や請求書、定期的な支払い契約を作る必要がなく、USDC は、毎回の AI エージェントのリクエストが資格を満たす対象コンテンツに対して直接決済される。従来のサブスクリプション制は人間のユーザーを対象としており、広告モデルはブラウザのトラフィックに依存する。一方で AI エージェントのアクセス行動は、この2つの従来型の収益化ルートに当てはまらない。
出版社は自分でブロックチェーンのインフラを構築する必要がある?
必要ない。AWS の告知によれば、x402 のサービス提供者として Coinbase が支払いの検証とブロックチェーン決済を担当するため、出版社は自社でオンチェーンのインフラを運用する必要はなく、USDC を受け取るウォレットアドレスを指定するだけでよい。
この機能は現時点ですべての AWS 顧客に適用される?
AWS の告知によれば、この機能は現時点では「Amazon CloudFront で配信される AWS WAF を保護する」顧客に適用されるもので、すべての AWS サービス利用者が使えるわけではない。Amazon CloudFront 経由でコンテンツを配信し、かつ AWS WAF を導入している必要がある。