世界最大級のIPOから評価額が2.5兆ドルを突破:SpaceXがさらに約20%上昇、天井はどこにある?

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2026年6月16日、SpaceXは上場後2回目の取引日に勢いある上昇トレンドを継続し、日中の上昇幅は19.5%まで拡大、価格は約192.5ドルを上回りました。この取引時間帯の終値で、SpaceXの株価は192.46ドルで引け、135ドルのIPO発行価格に対する累計上昇幅は42%を超えました。1日あたりの時価総額は4,120億ドル増加し、企業の評価額は2.5兆ドルの壁を突破しました。

この価格推移は市場の幅広い関心を呼び起こしました。上場からわずか2日で、流通株式比率が5%に満たない状況の中、SpaceXはすでに世界の時価総額ランキング上位6位に入る上場企業の仲間入りをしています。

現在の価格の背後にはどのようなファンダメンタルズの支えがあるのか

SpaceXの収益構造は、単一の宇宙ロケット打ち上げから複数事業のシナジーを前提とした転換へと進んでいます。目論見書に開示された監査済みデータによると、2025年の同社売上高は186.7億ドルで前年同期比約33%増となりましたが、純損失は49.4億ドルまで拡大し、主な要因は人工知能(AI)インフラ、Starshipの開発、衛星コンステレーションの拡容に対する高強度の投資です。

事業別に見ると、Starlinkは現在の最も主要なキャッシュフロー源で、2025年の売上高は113.9億ドル、営業利益は約44.2億ドル、利益率は約38.6%です。世界のユーザー規模は1,200万人に達しています。宇宙打ち上げ事業の年間売上高は約40.9億ドルで、Starship開発コストの負担により依然として損失状態にありますが、Falcon 9の打ち上げ回数は継続的に増加しており、2025年は年間約165回の打ち上げが見込まれ、世界の軌道投入ペイロードの80%を占めるとされています。AIと計算能力事業(xAI)は2025年に約32億ドルの売上を生む一方、巨額の損失は63.6億ドルに達しており、現時点で主な資金消費の方向性となっています。

注目すべきは、SpaceXがAnthropicとGPUのリース契約を締結している点です。契約期間は4年で、32.5万基のH100/H200クラスGPUが対象となり、初期見積もりでは年換算のリース料は約150億ドルです。このリース収入が段階的に実現していけば、xAI事業は中期での利益反転が期待でき、市場は現在の財務データを超える中期成長見通しを得ることになります。

市場の見方の相違はどのようなバリュエーション(評価ロジック)をめぐって起きているのか

SpaceXの現在の評価体系には大きな相違があります。135ドルの発行価格を基にすると、1.77兆ドルという評価額に対応する株価売上高倍率(市販/売上倍率)は90倍超で、多くの大手テック系IPOの過去水準を大幅に上回ります。市場の評価は、この水準に対して両極に分かれています。

支持側は、宇宙ロケット打ち上げ領域におけるSpaceXの世界的な主導的地位は短期的に揺るがないと考えています。Starlinkは依然としてユーザー浸透率向上の初期段階にあり、またAIの計算能力をリースする事業の急速な立ち上がりが利益構造を大きく改善させる見通しです。ウェドブッシュ証券のアナリストは、今回のIPOを「分水嶺となる出来事」と位置づけ、今後のAnthropicやOpenAIなどの大型AI企業の上場に向けた基調を作るものだとみています。

一方、反対側は、1.77兆ドルを基準とする発行時点の評価額には多くの“物語(ナラティブ)プレミアム”が含まれていると指摘します。PitchBookのシニアアナリストは、SpaceXの妥当な評価額は約1.5兆ドルであり、それを超える部分のプレミアムは本質的に、市場がAI事業や宇宙データセンターといった将来計画に対して先払いしている「前倒しの価格付け」だと述べています。モーニングスターの割引キャッシュフロー(DCF)モデルはさらに保守的で、同社の実際の評価額はわずか7,800億ドル程度、AI関連事業の価値は約1,700億ドルにとどまる可能性があるとしています。

超低い流通株式が現在の値付けメカニズムにどう影響するのか

現在の値動きを理解するには、まず流通株式の構造を理解する必要があります。SpaceXの今回のIPOでの発行はA株約5.556億株で、発行後の総株式数(A株約73.80億株とB株約56.96億株)を前提とすると、IPOを通じて公開取引に入る株式は総株式数の約4.3%に過ぎません。

流通量が極めて少ない環境では、わずかな買い増しでも大きな価格インパクトが生じ得ます。上場初日の終値は約160.95ドルで、発行価格から約19%上昇。上場2日目も買いが続き192.46ドルまで押し上げられ、2日間の累計上昇幅は42%を超えました。この推移は、基本面が2日間で根本的に変わったことによって引き起こされたわけではなく、「買いたい人が多く、売れる人が少ない」という需給構造によるものです。現在の自由流通は約4%であるため、たとえ小規模な資金流入であっても、価格は通常をはるかに上回る反応を示す可能性があります。

今後の2つの重要なタイミングがなぜ注目に値するのか

上場直後の取引熱が続く中、市場はいま価格に大きな影響を与える可能性のある2つの時間軸を迎えようとしています。

**第1の節目:7月7日——指数採用とパッシブ買い。**7月7日は、独立記念日(祝日)後の最初の取引日であり、上場後第15取引日でもあります。NASDAQ 100指数はこの日、SpaceXを正式に構成銘柄として組み入れます。試算では、各指数が当該株を迅速に組み入れる計画により、取引15日後にはパッシブ投資家が保有する流通株の比率が約30%まで急増すると見込まれます。これに伴い、Vanguard CRSPやFTSE Russellなどの大型指数ファンドは規則に従って建玉を行います。市場予想では、このパッシブ買いの規模は80億ドルから180億ドルの範囲に収まるとされています。

この規模は、現在のような極めて低い自由流通量の環境では、需給の大きな不均衡効果を生む可能性があります。初期の旧株主はロックアップ期間中であり、二次市場で売却できないため、パッシブ資金の建玉ニーズが限られた流通供給と正面からぶつかることになります。

**第2の節目:7月下旬——決算後の解禁ウィンドウ。**同社は7月下旬に第2四半期の決算を公表する見通しです。決算発表後の2営業日で、一部の株主のロックアップ期間が満了し、二次市場には新たな供給が発生します。これについては市場に2つの見方があります。強気派は、優良企業であれば解禁があっても、ファンダメンタルズが継続して実現される限り、買い手の引き受け意欲は強いと考えます。弱気派は、一方で、低コストで保有するポジションの離脱が価格に売り圧力をもたらすことを懸念しています。

現在の段階におけるSpaceXの収益・リスク構造の捉え方

現在段階の収益とリスクを分析する際は、短期・中期・長期の3つの時間軸に分けて考えるべきです。

短期では、上場直後のストーリー熱、極めて低い流通量、そして個人投資家のFOMO(乗り遅れ恐怖)といった心理が依然として続いています。Vanda Researchのデータによれば、個人投資家が前半2取引日に買い入れたSpaceX株の数量は、それ以前の1週間における米株全体の個人の買い入れ総量と同程度です。マクロ環境面でも、「米連邦準備制度(FRB)」の政策見通しが転換し、地政学的リスクが緩和される方向にあることが、リスク資産に追い風となっています。これらの要因が、短期の価格下支えを形作っています。

中期の変数は主に2点に集中します。1つ目は、パッシブ資金の建玉の実際の規模とペース。2つ目は、旧株主の解禁後の新規供給が市場でどのように消化されるかです。流通株式が現状の4%から徐々に引き上げられていく中で、希少性に起因するプレミアムが維持されるかどうかが、中期で継続的に検証すべき核心的な論点です。

長期の観点では、SpaceXの評価の土台は、Starshipのエンジニアリング面での進捗、Starlinkのユーザー成長とARPUの変化トレンド、そしてAIの計算能力リース事業が見込み通りに継続的な収益へ転換できるかどうかにかかっています。これらの基本面に関する変数の実現タイミングには大きな不確実性があります。目論見書の開示によれば、2025年の同社の純損失は49.4億ドルにまで拡大しており、高強度の資本支出は今後数年の財年にわたって常態として続く見込みです。現在の評価水準が、遠い将来の成長見通しをかなり織り込んだ状況であることを踏まえると、流通量がまだ小さい市場では、重要な技術面または運営面の不利なニュースが大きな変動につながる可能性があります。

FAQ

Q:SpaceXのIPOの発行価格はいくらですか?資金調達規模はどれくらいですか?

A:SpaceXのIPO発行価格は1株135ドルで、約5.556億株を発行する計画です。基礎となる調達規模は750億ドルです。引受会社がオーバーアロットメント(追加配分)のオプションを全面行使した場合、調達総額は862億ドルとなり、引受手数料を差し引いた純調達額は857億ドルです。発行価格ベースで計算すると、同社の評価額は1.77兆ドルです。

Q:現在取引可能な流通株式は総株式に対してどの程度の割合ですか?

A:目論見書の基準では、発行後のA株は約73.80億株、B株は約56.96億株です。IPOで新たに発行される株式は、総株式の約4.3%です。つまり、上場初期に実際に公開市場で取引される株式の比率は非常に低いということになります。

Q:7月7日が重要なタイミングなのはなぜですか?

A:7月7日は、米国の独立記念日(祝日)後の最初の取引日であり、SpaceXの上場から第15取引日目でもあります。当日、NASDAQ 100指数が正式にSpaceXを構成銘柄として組み入れ、多くの指数ファンドが規則に従ってパッシブで建玉を行います。市場予想では、このパッシブ買いの規模は80億ドルから180億ドルの間で、現在の初期株主は依然としてロックアップ期間中で売却できないため、短期的に需給が深刻に不均衡になる可能性があります。

Q:現在、市場はSpaceXの評価についてどこで最も大きく見解が分かれていますか?

A:「ストーリー(ナラティブ)・プレミアム」の妥当性が争点です。支持側は、SpaceXは宇宙ロケット打ち上げと衛星インターネットの分野で代替しがたい競争優位を持ち、AIの計算能力リース事業が急速に立ち上がることで利益構造がさらに改善すると考えています。反対側は、現在の評価に対応する市販/売上倍率が90倍を超えており、価格のかなりの部分が市場による遠い将来の計画への前倒しの支払いであって、現在の財務実績に基づくものではないと指摘します。

Q:今後、重点的に注目すべき基本面の指標は何ですか?

A:3つの次元の指標を継続的に追う価値があります。Starshipの技術テストの進捗、Starlinkのユーザー成長トレンド、ARPUの変化、実際の衛星配備のペース、そしてxAI事業のGPUリース収入の実現状況と、損失が縮小していくスピードです。目論見書の表示では、2025年の同社の純損失はすでに49.4億ドルに達しており、高強度の資本支出は今後も続く見通しです。

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